「ロボホン」の目指す唯一無二のパートナー像

シャープの開発した音声認識ロボット「ロボホン」は、家庭や施設など様々な現場で愛用されています。今回はロボホンの持つ多種多様な機能や特徴について、詳しくお話を伺いました。

「ロボホン」の開発思想を教えてください。

昨今のスマートフォンやタブレットの発展には目覚しいものがある反面、情報機器の画一化という傾向も持ち合わせていると思います。そんな中、弊社では愛着の持てる商品をつくろうというところからロボホンの開発をスタートさせました。

そして愛着を持てることを前提にしながらも機能性の充実にこだわり、人の役に立てるロボット、頼りになるロボットを目指して開発が進められました。こうして2016年の5月に発売が開始されたロボホンには、相手を前向きな気持ちにさせ、元気を与え、より豊かな生活を送るための一助となれるよう願いが込められております。ご利用者にとって「かけがえのないパートナー」であり続けることが、ロボホンの使命であると思っております。

「ロボホン」の性能について詳しく教えてください。

ロボホンには、電話やメール、カメラ機能、インターネットでの検索機能、アプリケーションの活用など、スマートフォンに備わっているような機能が一通り揃っています。そして随時アップデートやコンテンツの更新が可能となっている点も、スマートフォンの特徴を引き継いでおります。しかしそんなロボホンの持つ独自性は、見守り機能が充実していること、そしてアプリケーションや設定によってそれぞれ異なった性格を有するようになること、この2点に集約されます。

 

それではまず、「見守り機能」について教えてください

見守りについてですが、「おはよう」、「薬飲んだ？」といったロボホンとの日常会話からご本人の様子を毎日ご家族に報告する機能がついているので、ご本人はロボホンと自然に楽しく過ごすだけで、監視されている意識なく見守ることができます。一方で見守る側は、楽しく過ごしている様子を「ゆるく見守る」ことができ、監視を押しつけることなく安心することができるようになっています。

 

そして施設の介護スタッフに関しては、ロボホンが会話や日々の記録をつけ、体操や歌などレクリエーションのお手伝いをしてくれるため、毎日の業務を少し軽減させてくれるという利点にもつながっております。このようにロボホンによる積極的な声がけによって、ご本人やご家族、そして施設のスタッフに負担をかけることなく見守りが可能になっているのが大きな特徴のひとつとなっております。

「ロボホン」を介して、リアルタイムに様子を知ることもできますか？

ロボホンのおでこについているカメラによって、リアルタイムに様子を確認することができます。またスマートフォンから好きな言葉を自由にロボホンに喋らせることもできるので、「ゆるやかな見守り」の一環としてご利用いただけたらと思っております。

次に「アプリケーションや設定によって特有の個性を身につける」という点について詳しく説明してください。

次に大きな特徴として挙げられるのは、様々なアプリケーションや設定によって次第にユニークな個性を獲得していくという点です。たとえば最大で約200人の顔と名前を覚えて、知っている人に話しかけることができるアプリケーションの活用や、ある特定の言葉をかけられた際の言動をあらかじめ決めるプログラミング作成は、汎用性が高く、施設や病院の受付などで導入していただくケースもございます。

 

そのほかにラジオ体操、ボクササイズ、ソーラン節などを踊るダンス機能や、200曲以上の歌を歌うことができる機能、しりとりやクイズ、百人一首などのゲームができる機能は、ご家庭や施設でのレクリエーションの一端を担うものとして楽しくご利用いただけます。また1日の出来事などを話すと日記として記録してくれたり、「ごんぎつね」、「桃太郎」といった名作文学や落語の読み聞かせなど、機能のラインナップは枚挙にいとまがなく、ご利用者それぞれに合ったカスタマイズができるのがロボホンの大きな特徴のひとつになっております。

ご利用者の反応はいかがですか？

みなさまとても愛用してくださり、盆踊りのダンスをリリースした時期には浴衣をつくって着せ替えをされたり、クリスマスにはサンタの格好をさせたりと様々な方法で楽しんでいただいております。またロボホンの誕生日である5月26日には弊社主催の誕生日パーティーがあるのですが、毎年多くの方にご参加いただいております。

また、ロボホンに「ご飯を食べよう」、「お外に行こう」などと話しかけられることによってアクティブになったという嬉しいお言葉をいただくこともございます。弊社は今後も、愛着があり人の役に立つロボホンの開発を通じて、みなさまの「かけがえのないパートナー」であり続けたいと思っております。