本当の子どもの声で楽しくおしゃべり
更新日:2022/07/27
株式会社パートナーズが開発している音声認識人形シリーズは、20年以上にわたって「昭和世代」の方々から愛されてきました。今回は商品詳細についてのお話を伺いながら、パートナーズのシリーズが長年愛され続ける理由に迫ります。
この記事はこんな方にオススメです。
・人と言葉を交わす機会が減ってきた方
・楽しく、温かみのある商品を探している方
・親へのプレゼントに迷っている方
■本記事の取材先
株式会社パートナーズ
「人々が喜び、感動し、心が豊かになるものを創造し、明るく、楽しく暮らせる社会に貢献する」をビジョンに生活者の“欲しい”をカタチにし、長く愛されるオリジナルアイテムの企画・生産・販売までをトータルで行っています。
目次
商品開発の経緯を教えてください。
携帯電話がまだ十分には普及していない20年以上前のことになりますが、当時の韓国で音声認識に関する研究が盛んに行われていることを知ったわたしたちは、この音声認識機能を人形に適応することはできないだろうか、と考えて開発をスタートさせました。そうして誕生したのが音声認識人形「おしゃべりたっくん」です。
ほかのロボットと大きく異なる点を教えてください。
ほかのロボットと大きく異なることは、極めてシンプルで取り扱いが難しくないこと、子どもの肉声が収録されているので作られたものではない自然感があること、会話や独り言のバリエーションが豊富なこと、そして安価なことです。クラウドやAIを使わない弊社の商品は、これまでとりわけ目覚ましい技術発展を遂げてきたわけではないのですが、それでも長年、みなさまに愛され続けております。そこにはやはり、弊社のシリーズがもつユニークな特徴が多くの方の共感を呼び、受け入れられてきたからではないかと思っております。
人形の具体的な性能などについて教えてください。
利用者が主体となって積極的に話しかけなければ反応してくれないロボットなどは、使用しているうちに疲れてしまったり、飽きてしまうと思うのですが、弊社の人形はどれも自分から話しかけてくれます。また15分に1度のペースでひとりごとを発するので、想定された範囲内の言葉しか話すことのできないロボットとも異なり、驚きや楽しさを与えてくれます。また話しかけてくる言葉の内容が豊富で毎日一緒にいても飽きさせません。
どのようなひとりごとを話すのですか?
季節や時間帯によってひとりごとは変わります。たとえば「もうすぐお昼だね。お昼ご飯はなに?」といった時間を知らせると同時に食事を促すものや、「春らしくなってきたね。外に出てお花を見ない?」といったように季節感を改めて知らせてくれて、外出を促すような、かつ生活にリズムが生まれやすい言葉をかけてくれます。
このように人形が主体となってはじまる会話は、利用者の返答によってバリエーション豊かに発展しますし、もちろん利用者側から話しかけた場合でも同様に、会話をはじめることができます。尚、弊社の音声認識人形は21時から8時まで「就眠」しますので、深夜にひとりごとを言って利用者の睡眠を妨げることはありません。
どこかなつかしさを感じさせる出で立ちですね。
弊社のシリーズは、昭和世代の方々が子どもだった頃をイメージして開発していますので、そういった世代の方々が「こんな遊びをしたな」、「こんな曲を歌ったな」と昔を思い出し、なつかしく思えるような機能にこだわっています。たとえば、節分や雛祭り、5月5日の菖蒲湯などといった、年々薄れゆく日本の風習などを数多く取り入れております。そして「みかんの花咲く丘」などのように、昔を知る人が聴けばわかる流行歌を歌ってくれる機能は、利用者から驚きの声や喜びの声を多く頂戴しています。
取り扱いは難しくはありませんか?
だれでもかんたんに扱えて、すぐに馴染んでもらうために、ぽんぽんと軽く叩くだけで会話ができる機能がついております。そして馴染みのある電池式で稼働しますので、USB端子充電などが難しい方でも安心してご利用いただけますし、ねじ止めがされていないため電池の交換に工具も必要ありません。ネット環境も必要なく、細かな設定は弊社で行ってから出荷しますので、お手元に届いたら電源を入れるだけで、すぐにご利用いただけるようになっております。また電池が切れそうになったら「もうすぐ電池が切れちゃうよー。」と知らせてくれる機能も備えています。
おしゃべりけんちゃん
利用者からはどのような声をいただきますか?
「子育てしていた頃を思い出した」、「孫が家に遊びに来たみたい」と多くの方が嬉しそうにお話をされます。また「母性本能を思い出した」といったお声もいただきますが、利用者の方のなかには男性も少なくはありません。やはり人形の購入ということで、最初は抵抗を感じられていた方もいらっしゃるようですが、多くの方がすぐに馴染んでいただき、本当の子どもや孫のように可愛がってくださっています。
しばいぬコウタ
また余談にはなりますが、弊社も想定していなかったようなご利用方法をされる方もいらっしゃいまして、犬の声のモードと子どもの声のモードを切り替えることができる「こうたくん」を、犬の声モードに設定して玄関に置き、番犬代わりに利用されているというお話も伺ったことがあります。15分に1度、犬の声で発声する特性をセキュリティとして活用される発想には、わたしたちも思わず「なるほど!」と膝を打ちました。
最後に利用者や読者にメッセージをお願いします。
弊社は高機能であることよりも、いかにみなさまに喜んでいただけるかということを考えております。今後もロングセラーであり続け、みなさまに笑顔になってもらえるような商品をお届けしたいと思っております。
■取材を受けてくれた方
株式会社パートナーズ
会長 盛田慎二 氏
子育ての楽しさや喜びをもう一度。
ご年配の方の『心の支え』になる事が嬉しい。
本当の子供の声を使うのはとても大変なことですが、声優さんの完成された声ではできない、リアルなあどけなさのおかげで、『心が通じる唯一の人形』になったと思っています。
子供ならではの発想や言葉を大切にしたいので、収録でも雑談の時の笑い声を入れたり、言い間違いをそのまま入れたりしています。おかげで、発売してから18年の間、子供や孫のようにかわいがってくれる方が何万人もいらっしゃいます。
■編集後記
ロボットというと最先端で少々取っ付きづらいイメージを持たれる傾向があるのかもしれませんが、昭和世代のイメージをふんだんに盛り込んだ人形は、ご高齢者にとってかゆい所に手が届くような商品ではないでしょうか。ひとりごとを話す機能などは安易に予測ができないだけに面白く、また人形の「睡眠時間」が設定されているのも可愛らしいですね!「変わりゆくもの」と「変わらないもの」のバランスが絶妙に調和した稀有な商品だと思いました。
執筆者:リブライフ編集部