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高齢者の自宅内での転倒場所ランキング。転倒事故防止のためにできる対策とは?

更新日:2023/09/05

自宅での生活や介護で気を付けなければならない転倒事故。高齢になると、たった1度の転倒がきっかけで要介護状態になることもあります。
高齢者が安全な環境で健康的な生活を続けていくためにも、転倒事故の予防は非常に重要です。この記事では、自宅での転倒事故の調査をもとに、原因と対策について考えていきます。

この記事はこんな方にオススメです。

・自宅での転倒予防について知りたい方
・家族介護をしている方

転倒に伴うリスク

厚生労働省の調査によると、介護が必要になった原因の4位は「骨折・転倒」となっており、13%を占めています。

参考:介護が必要になった原因ランキング~第1位は「認知症」~

高齢者の骨折の原因として最も多いのは、転倒によるものです。高齢になると筋力やバランス能力などの身体能力が低下し、転びやすくなります。また、骨粗鬆症により、軽い転倒でも骨折することがあります。

骨折すると、外出する機会が減る、寝たきりの原因になるなどのリスクがあり、寝たきりは生活不活発病(※)を引き起こすことにもつながります。

※生活不活発病とは、動かない(日常生活が不活発になる)ことで、心身の機能が低下する病気です。廃用症候群とも呼ばれます。生活動作がやりにくくなったり、疲れやすくなったりすることで活動低下が助長され、動けない状態になっていきます。

筆者の祖母もデイサービスに行こうとした際に玄関で転倒し、大腿骨頸部骨折しました。リハビリをしてもなかなか回復せず、結局骨折がきっかけで寝たきりになってしまいました。

高齢になっても健康的な生活が続けられるように、転倒事故が起こりやすい場所や対策について知り、転倒予防に努めることが大切です。

転倒した場所

内閣府が60歳以上の男女に調査した結果をもとに、転倒事故の発生状況や場所についてみていきましょう。

自宅での転倒事故(平成22年)

  • この1年間に1度も転んだことはない 90.5%
  • この1年間に1度だけ転んだことがある 5.6%
  • この1年間に何度も転んだことがある 3.8%
  • 無回答 0.1%

この結果から、自宅内で1年間に転んだことがある人は9.4%と、約1割の人が転倒していることが分かります。

それでは、自宅内のどこで転倒事故が発生しているのでしょうか。

転倒した場所(複数回答)

場所 割合
36.4%
居間・茶の間・リビング 20.5%
玄関・ホール・ポーチ 17.4%
階段 13.8%
寝室 10.3%
廊下 8.2%
浴室 6.2%
台所 6.2%
ベランダ・バルコニー 4.6%
便所 4.1%
食堂 1.5%
洗面所・脱衣所 1.0%
その他 3.1%
わからない 0.5%

引用:内閣府 転倒事故(PDF)

転倒した場所については、「庭」が 36.4%と最も高く、次いで、「居間・茶の間・リビング」が 20.5%、「玄関・ホール・ポーチ」が17.4%、「階段」が 13.8%、「寝室」が 10.3%の順となっています。

この結果から、自宅内の様々な場所に転倒の危険性が潜んでいることが分かります。生活環境を見直し対策することで、リスクを減らしていきましょう。

原因と対策

場所ごとに、なぜ転倒が起きたのか、防ぐためにはどうしたらよいかをまとめました。

原因
  • 庭の手入れ時に、はしごや脚立から転落する
対策
  • 1人での作業は避け、複数で行う
  • 無理をして高所での作業を行わない

リビング

原因
  • コタツなどのコードに引っかかる
  • カーペットやコタツ布団につまづく
  • スリッパを履いていて滑る、脱げる
対策
  • 歩く導線を避けてコードを配線する
  • つまづきやすいカーペット・コタツ布団を使用しない
  • 滑りにくく足に合ったスリッパを使用する

玄関

原因
  • 靴を脱ぐ際によろける
  • 玄関の段差を越えられずに転倒する
対策
  • 手すりを設置する
  • 踏み台を使用し段差を低くする

階段

原因
  • 階段を踏み外す
  • 暗くてよく見えないことがある
対策
  • 階段は一段一段慎重に昇り降りする
  • 夜は照明や常夜灯をつける

寝室

原因
  • ベッドから転落する
  • 布団につまづく
対策
  • ベッドガード、介護ベッドの使用を検討する

浴室

原因
  • 濡れた床で滑る
  • 浴槽に出入りする際に足がもつれる
  • 浴室と脱衣所の段差につまづく
対策
  • 手すりや踏み台を設置する
  • 石鹸やシャンプーのぬめりが床に残らないようにしっかり流し乾かす

台所

原因
  • 高い場所の荷物を取る際に踏み台から転落する
  • キッチンマットにつまづく
対策
  • よく使う物は手の届く場所に置く
  • つまづきやすいマットは使用しない

まとめ

高齢になると、若い時には考えられない場所や要因で転倒することがあります。転びやすくなっていることを本人が自覚し、無理のない、ゆとりを持った行動を心がけることが大切です。また、日頃から体を動かして、体力の維持に努めることも効果的です。

万が一転倒してしまった場合は、本人が気付ず骨折しているケースがあります。大丈夫だと思っても、念のため医療療関を受診することもご検討ください。

本人だけでなく家族も一緒になり、安全な住環境をつくっていきましょう。

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