×

療養生活の知恵 療養生活の知恵

病気・症状

病気・症状の記事一覧

歳を取るほど危険?高血圧の原因と対策!

更新日:2023/07/28

高血圧という言葉は耳にしたことがあるけど、身体にどんな影響があるのかは詳しく知らないという方は多いのではないでしょうか。
実は、放っておくと様々な病気に繋がる恐れのある状態です。
この記事では、高血圧の影響とその原因、対策についてご紹介します。

高血圧とは

高血圧ってなに?

高血圧とは、複数回計測しても血圧が基準値(注1)よりも高い状態のことを指します。

血圧は、運動や時間帯などによっても数値に変化が起こるため、安静にして同じ時間帯に繰り返し計ることで、より正確に高血圧なのかどうかを判断することが出来ます。

高血圧には、遺伝的要因や生活習慣の乱れなど、様々な要因が重なることによって発症すると考えられている「本態性高血圧」と、他の病気の影響で引き起こされる「二次性高血圧」があり、高血圧の方の大半は「本態性高血圧」であるといわれています。

また、歳を取ると、血管の老化や自律神経の機能低下などにより、血圧が上がりやすくなるため、ご高齢の方は特に注意する必要があります。

 

(注1)高血圧と診断される基準値は、診察室での計測時に最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合とされています。診察室でとされているのは、環境的要因により、自宅での計測時よりも血圧が高くまたは低くなる場合があるからです。

 

放っておくとどうなるの?

血圧が高いだけでは、自覚症状がないため、気付いた時には状態がかなり進行してしまっていることもあるのが、高血圧の注意すべき点です。

高血圧の状態が長く続くと、動脈硬化が進行し、血管が詰まりやすくなったり、傷んだりして、以下のような様々な病気を引き起こします。

 

狭心症、心筋梗塞

高血圧によって動脈硬化が進行すると、血管が詰まりやすくなり、心臓を動かすための筋肉へ正常に血液が流れなくなることで起こる、狭心症や心筋梗塞に繋がります。

 

脳出血、脳梗塞

高血圧の状態が長く続くと、脳の血管が傷んだ末に破れて脳出血が起きたり、動脈硬化の進行により、脳の血管が詰まって脳梗塞を引き起こす恐れがあります。

 

腎不全

高血圧によって、腎臓の血管の動脈硬化が進行すると、腎機能が低下し、腎不全に繋がります。

腎臓は、血液をろ過して血液中の余分な水分や不純物を尿として排泄する機能を持っているため、病気が進行するとこの機能が低下し、最終的には透析療法が必要となってしまいます。

 

高血圧の原因

塩分の取りすぎ

塩分を取りすぎると、血液中の塩分濃度が上昇し、その濃度を下げるために血液中の水分量も上昇するため、血液量が増えて、血圧の上昇に繋がります。

 

お酒の飲みすぎ

適量のアルコールは血管を広げ、血圧を一時的に低下させる効果があるといわれています。

しかし、過度の飲酒は高血圧を助長するため、飲みすぎには注意が必要です。

 

喫煙

タバコには、血管を収縮させて血圧を上げたり、血管内の組織にダメージを与えたりする成分が多く含まれており、高血圧のみならず、動脈硬化を進行させる恐れもあります。

 

肥満

肥満になると、血糖値をコントロールする役割を持つインスリンが効きづらくなり、過剰に分泌されるようになるため、それを薄めようと血液量が増え、血圧の上昇に繋がります。

 

遺伝

高血圧には、遺伝的要因も大きく関わっているといわれています。

しかし、遺伝によって必ず高血圧となってしまうわけではないので、生活習慣を見直すことが対策としてとても大切です。

 

高血圧の対策

減塩

血圧を上げる原因となる、塩分の取りすぎを控えましょう。

高血圧の方の場合、1日当たりの食塩の摂取量を6g未満にするのが良いとされていますが、急激な減塩は食欲の低下にも繋がりかねないため、徐々に減らしていけると良いでしょう。

当サイトでは、栄養価や塩分量などに配慮したコンビニメニューの選び方についてのフリーペーパーを公開しております。

コンビニメニューは時間の無い方でも、手軽に日々の生活に取り入れられるため、興味のある方は是非ともこちらからご活用ください。

 

カリウムやカルシウムを食事に取り入れる

カリウムには、血圧を上げる原因となるナトリウム(食塩に含まれる)の排出を促す作用があるため、高血圧の対策に役立ちます。

ただし、腎機能が低下している場合には、高カリウム血症の恐れがあるため、医師に相談のもと摂取量を調整しましょう。

また、カルシウムの不足も血圧を上昇させる原因となるため、日々の食生活に取り入れられるように心がけましょう。

 

カリウムの豊富な食品

  • 海藻類(昆布、ひじきなど)
  • イモ類(じゃがいも、さといも、さつまいもなど)
  • 豆類(納豆、えだ豆など)
  • 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、人参、トマトなど)
  • 果物(バナナ、メロン、キウイフルーツ、柿など)

 

カルシウムの豊富な食品

  • 牛乳、乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)
  • 大豆製品(納豆、豆腐など)
  • 緑黄色野菜(小松菜、モロヘイヤ、春菊、チンゲン菜など)
  • 小魚(ししゃも、イワシなど)

 

適度な運動

血圧の上昇の要因となる肥満を避けるためにも、適度な運動を心がけましょう。

特に有酸素運動は血管を柔らかくする効果があるため、高血圧と相互に関係している動脈硬化の対策にも良いといわれています。

有酸素運動としてはウォーキングやサイクリング、水泳などが一般的ですが、時間や身体のことを考えると中々難しいという方には、以下のようなご自宅でもできるものがおすすめです。

 

ご自宅でもできる有酸素運動

  • ラジオ体操
  • 踏み台昇降運動
  • その場足踏み(立って行うのが難しい場合は、椅子に座ったままでも可)
  • ハンドエルゴメーター(足ではなく、腕でグリップを持って漕ぐ運動器具)

 

しかし、高血圧やその他の病気の状況によっては、運動が推奨されない場合もあるため、ご心配のある方は始める前に医師に相談すると良いでしょう。

 

■キーワード

❏ 関連記事