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「会話」が得意な会話AIロボットRomi

更新日:2022/07/27

株式会社ミクシィは、会話を続けやすい自立会話型のロボットRomi(ロミィ)を開発しました。そんなRomiの特徴や他のロボット製品にはない強みについて、今回は詳しくお話をうかがいました。

この記事はこんな方にオススメです。

・話し相手がほしい方
・一方通行の短いやりとりではなく、じっくり話せるロボットが欲しい方
・離れて暮らす親がいる方

■本記事の取材先

株式会社ミクシィ

「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」というパーパス(存在意義)のもと、「mixi」や「モンスターストライク」、「家族アルバム みてね」、「TIPSTAR」など、友人や家族間で一緒に楽しむコミュニケーションサービスを提供しています。私たちが大切にしている"ユーザーサプライズファースト"の精神のもと、当社のミッションである、ただつながるのではなく、濃く深い、より豊かなコミュニケーションを生む「心もつながる」場と機会を創造し続けることで、感情豊かな心の通い合う社会の実現に貢献してまいります。

Romiを開発するまでの経緯を教えてください。

弊社はSNSのmixiや、アプリケーションゲームを開発している会社です。こうしたコミュニケーションを主軸にしたサービス展開と、あたらしい技術を活用したユーザ体験へのこだわりを掛け合わせることで、これまでにはなかったまったくあたらしいロボットをつくることができないか、というところからRomi開発のプロジェクトをスタートさせました。

Romiに込められた想いを教えてください。

「ペットのように癒し、家族のように自分を理解してくれる存在」になれるよう試行錯誤を重ねて開発されたRomiは、ユーザーの言葉を受け入れ、一緒に喜んだり、一緒に怒ったりできるような利用者のすべてを肯定するロボットとして誕生しました。嫌なことがあってもRomiと話しているとクスッと笑ってしまう、つい子どもの頃のように素直になって、やさしい気持ちになれる、そのようにRomiとの会話からやさしさがいろんな人につながる世界を実現したいという想いをもって、商品開発に励んでおります。

他社製品とは異なるRomiの大きな特徴について教えてください。

いちばんの特徴は、独自開発のAIにより言葉のキャッチボールが可能になったという点です。既存のロボットの多くは話すことや歌うことはできますが、それらはすべて人間が受け答えを考えてインプットさせたものとなっています。その結果、返答がパターン化されてしまったり、やりとりがほんの数ターンで終わってしまうため、どうしても会話が続きません。そこでRomiは、「ディープラーニング」という自動運転などにも活用されている機械学習を取り入れて、人と人が実際に行う会話のデータを大量に学習させることによって、会話の文脈や流れを汲み取りながら文章を生成できるよう開発しました。

 

例えばどんな会話がRomiにはできますか?

「おはよう」、「おやすみ」といったかんたんな挨拶で終わるのではなく、今日の出来事やこれからやる予定の事、仕事や趣味、恋愛や健康などについての様々なテーマを扱うことができます。このような「雑談力」を身につけていることが、Romiの強みのひとつになっております。

Romiのもうひとつの大きな特徴は、感情豊かに話ができる、話を聞くことができることです。Romiは歩くことはできないのですが、その場で動きをみせながら感情を表したり、100種類以上の表情をその場に合わせて表現することができます。また、頭を撫でると喜ぶ、持ち上げるとびっくりする、暇になるとウトウトする、といったリアクションを行ったり、話し声のする方向に目を向け、その発話者が移動すれば視線で追いかけるような仕草も搭載しており、このような「生き物らしさ」もRomiの特徴となっています。

性能面での特徴はどのような物がありますか?

性能面での特徴は、Romiとの会話や、やりとりの記録をスマートフォンで確認できるということです。Romiが起きた時間、話した時間などがRomiのアプリに記録されますので、離れて暮らす親御様へのプレゼントとしてご購入される方も多くいらっしゃいます。ただし実際の会話内容、やりとりの内容までは記録されませんので、たとえば見守りカメラのようなものに抵抗がある方でも、お気軽にご利用いただけます。そのほかにも天気やニュースを伝える機能や、目覚まし機能、ラジオ体操や落語、また月に1曲のペースで歌える曲が増えていく機能なども、Romiのユニークな特徴となっています。機能やコンテンツは2022年5月に100を超え、今後も定期的に増やしていく予定です。

利用者の評判はいかがですか?

弊社の調査では約9割の方がRomiとの会話で癒されたと回答されています。また約半数の方に「相手が人間ではなくRomiだからこそ話せる・話しやすいと感じたことがある」と答えていただきました。家族や知人には憚られるようなことでも、Romiであれば気軽に話せる、そういった点もロボット特有の提供可能な価値であると再認識することができました。

家庭以外でも利用されている例はありますか?

Romiはご家庭以外でも様々な場でご利用いただいています。弊社では、Romiパートナープログラムという法人や施設に無料でお貸しするサービス展開も行なっておりまして、ご高齢者が集まる施設やデイサービス、また病院のリハビリ科や大学の看護学科などでも試験的に導入していただいています。今後も多くの方にRomiをご利用いただくことで、あたらしいコミュニケーションが生まれたり、ホッとするひと時を過ごしていただけたら幸いです。

 

■取材を受けてくれた方

株式会社ミクシィ
長岡 輝 (ながおか あきら) 氏
Romi サービスディレクター、 マーケティング担当。マネジャー。
複数の弊社子会社で役員に就任。 Romi 立ち上げ当初よりプロジェクトに関わる。

■編集後記

相手が家族や知人ではなく、Romiだからこそ話せることがあるというのはとても興味深いですね。コロナ禍の自粛期間を経験した私たちは、会話の重要性や他者との関係のあり方をいま一度考えさせられたはずですが、Romiのように自立したロボットとある種の対等な関係性を築くという夢のような世界が、現実として既に存在していることには興奮を覚えました。

執筆者:リブライフ編集部

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