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地域包括支援センターとは何をするところ?役割を解説します

更新日:2023/09/22

「地域包括支援センター」という名称を聞いたことはあっても、何をするところかよく分からない方も多いのではないでしょうか。この記事では、地域包括支援センターの業務内容、利用できる対象者や利用方法など、簡単にわかりやすく説明します。

この記事はこんな方にオススメです。

・地域包括支援センターについて知りたい方
・高齢者の暮らしや介護に関する悩みがある方

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、地域の高齢者の健康保持、生活の安定のために必要な援助を行い、保険・医療の向上、福祉の増進をサポートすることを目的とした施設です。

地域包括ケアシステムの中核として市町村が設置しており、令和4年4月末時点では、全国に5,404か所の施設があります。主任ケアマネージャーや社会福祉士、保健師等の専門スタッフが在籍しており、高齢者が住み慣れた地域での生活を続けられるよう、多様な相談内容に対応しています。

対象地域にお住まいの65歳以上の高齢者や、高齢者を支援している方が利用できます。もし家族が、離れて暮らす親について相談したい場合、親が住んでいる場所の地域包括支援センターに問い合わせをしましょう。

地域包括ケアシステムとは

日本では、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域でその人らしい暮らしを最期まで続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しています。地域包括ケアシステムでは、地域の日常生活圏を30分でかけつけられる圏域としています。

地域包括支援センターの役割

地域包括支援センターには、大きく分けて4つの役割があります。

介護予防ケアマネジメント

要支援1・2と認定された方を対象に、介護予防ケアプランの作成を行っています。また、今後支援や介護が必要になる可能性がある方に対して、介護予防を目的とした支援(介護予防教室など)を実施しています。

総合相談支援

介護に関する悩みや、健康・生活に関する不安など、高齢者の各種相談を幅広く受け付けています。相談内容に応じて、専門スタッフが必要なサービスや制度を紹介し、解決へと導きます。

権利擁護

成年後見制度の活用促進、高齢者虐待の早期発見・防止、悪徳商法などの消費者被害への対応など、高齢者の権利に関わる相談を受け付けています。高齢者虐待に関しては、虐待を受けている本人や家族だけでなく、虐待に気づいた近所の方が相談することも可能です。

成年後見制度とは、認知症や知的障害などにより、判断能力が不十分になった方に代わり、支援者が後見人となり、財産の管理や介護サービスの契約などを行うことです。

包括的・継続的ケアマネジメント支援

ケアマネジャーへの日常的な個別指導・相談対応、支援が難しい事例に対するアドバイスを行い、業務をサポートします。また、地域ケア会議を開催するなどし、自立支援型ケアマネジメントの支援を行います。

相談内容

地域包括支援センターには、具体的にどのような相談ができるのでしょうか。一例をご紹介します。

  • 要介護認定を受けたい
  • 脳梗塞になった父の対応をどうしたらよいか分からない
  • 最近物忘れが激しく、認知症を疑っている
  • 地域の高齢者と交流できる場を教えてほしい
  • 介護予防のプログラムを受けたい
  • 介護保険を使い、家を改修したい
  • 近隣の高齢者夫婦の家から、怒鳴り声が聞こえることが増え、虐待を心配している

相談は無料でできますが、紹介されたサービスを利用する際には費用がかかる場合があります。些細な相談事でも、まずは気軽に問い合わせしてみましょう。地域包括支援センターがどこにあるかは、市町村のWebサイトや、介護保険担当窓口にてご確認ください。

利用の流れ

地域包括支援センターを利用する際の流れを説明します。

①来所または電話にて相談する

当日の受付担当職員が相談内容を伺い対応します。

②自宅訪問し、本人との面談を行う

相談内容は専門スタッフが引き継ぎます。地域包括支援センターに配置されている、 保健師や看護師、主任ケアマネジャー、社会福祉士などの専門職の中から担当者が訪問し、本人の状況の確認をします。事前にサービス利用が明確な場合には、担当のケアマネジャーと一緒に伺います。

③必要なサービスや事業所を紹介する

相談内容に応じて、訪問した専門スタッフやケアマネジャーが、居宅介護支援事業の紹介、専門機関との連携、介護保険サービス利用の調整などを行います。

地域包括支援センターは、地域の高齢者が安心して生活を続けられるよう、必要な支援体制を実現する中核施設になっています。ご自身や家族の介護、生活のことで相談がある方は、気軽に活用してみてください。

また、今は健康でも、将来介護が必要になる時がくるかもしれません。地域包括支援センターという存在を知っておくことで、いざという時にスムーズに相談できるでしょう。

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