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過去のデータから見る最後を迎える場所とは?

更新日:2022/10/27

現代の最後の場所とは?

厚生労働省の「人口動態調査」によると、2020年時点での死亡割合の高い順が、

1位 病院 67.8%
2位 自宅 15.6%
3位 老人ホーム等 9.1%

となっています。

人口動態調査とは

国勢調査が5年 に1度の大々的な調査であるのに対し、人口動 態調査は、人口の日々の増減を反映しています。 結果の公表は、速報、月報、年報といったか たちで行われ、出生数、死亡数、婚姻数、離婚 数を見ることができます。 死亡数には乳幼児死 亡数などが内数として表記され、死産数なども 掲載されています。

 

 

なぜ戦後多かった在宅死が減り、病院死が増えたのか?

これには、様々な要因が考えられますが、中でも大きな要因として3つ考えられます。

1つ目の理由:「家族の関係や形態の変化」

高度経済成長期以降、日本は豊かな国となり、社会・仕事・収入など様々なことが変化してきました。
以前は、サザエさん・ちびまる子ちゃんのように、3世代が暮らす世帯が大半でしたが、社会のありようが変化することにより、核家族化が進みました。
この弊害として、病院死が増えてしまったことが考えられます。

これは現代社会でも当てはまりますが、高齢者視点で考える場合「自宅で最後を向かえたいが、家族に迷惑はかけたくない」、また離れて暮らしているなどの事情がある場合など、本人の希望を言いづらい環境になっていることが考えられます。
家族視点の場合、「健康保険制度があるので、多少お金を払えば病院で全て見てくれて安心。」、「容体が急変した際にどうして良いかわからない。」という選択肢になりやすい傾向があります。
現役世代からすると、仕事・生活・子どもなど自身のことで精一杯なこともあり、自宅死を叶えてあげにくい環境があることも要因として考えられます。

 

2つ目の理由:「老人医療費の無料化政策」

1973年に、高齢者を対象とした新たな医療保険体制である老人医療費支給制度(老人医療費無料化)が創設されたことが、上記1つ目の理由にさらなる拍車をかけていました。
また同時に「高額療養費制度」(医療費の支払上限を設ける制度)も創設されたため、高齢者医療のための支出は1980年までに1973年以前の4倍以上に膨れ上がったため、1982年に老人保健法が制定され、「老人医療費無料化」の時代が終わりとなりました。

高齢者の医療費が無償化され、さらに上限金額が設けられる政策が絡めば、病院で最後を迎える選択肢が増えました。

 

3つ目の理由:「死生観の変化」

日本人の「死」への概念は、「暗い」ものと捉えがちで隠す傾向があります。死と向き合うことを避け、「死」に方に対する判断を他者に委ねるようになっていきました。
死に方はを選ぶには、「本人の意思」はもちろんのこと、「家族の死に対する考え方」も非常に大きいため、両者の考えが一致して初めて選択できるというハードルの高さなども減少の要因として考えられます。

「死なせない」「少しでも長く息をしてもらう」ことだけを目的として病院を選択するのではなく、「最後までをどのように生きたいか」「何をしてあげたいか」を軸に考えられる世の中になって欲しいと願います。
その過程で病院が必要であれば是非利用してもらうべきだと思います。

 

今後の死に場所の変化

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、現在の日本では「病床数(ベッド数)削減」を進めています。
これは、2025年になると、医療・介護需要の急激な増加が見込まれているため、2017年から削減していく傾向となっています。

病床数(ベッド数)は、今後も増えていくことは考えづらく、減っていくことの方が多いはずです。
そこで厚生労働省は、在宅死ができる環境を構築を進めていきました。

今後、自体の移り変わりと共に、在宅死の選択肢が増え、病院と在宅が半々くらいになる日も近いかもしれません。

参照:厚生労働省、Japan Health Policy

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