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豊かな食生活の実現へ。ハウス食品の取り組み

更新日:2022/07/27

ハウス食品株式会社はこれまで多くのフルーツゼリーやレトルト商品を世に送り出してきました。そんなハウス食品が2000年以降、ケアフードの開発に力を入れ始めることになったきっかけや、おすすめ商品などについて今回は詳しく伺いました。

この記事はこんな方にオススメです。

・おいしいケアフードを食べたい!
・おすすめ・人気商品を知りたい!
・デザートにもなるケアフードを探している方

■本記事の取材先

ハウス食品株式会社

ハウス食品は、カレーやシチュー、スパイスやラーメンなどの製造・販売を主な事業活動としています。他にもスナックやデザート、介護食など、幅広い分野の製品を展開しています。“食を通じて、家庭の幸せに役立つ”企業を目指して、多岐にわたる製品でお客様の食生活と健康に貢献してまいります。

ケアフードを発売するまでの経緯を教えてください。

弊社ではもともとフルーツゼリーなどのカップ型デザートを一般販売していたのですが、噛む力や飲み込む力の弱いご高齢者や療養中の方でも、このようなデザートであれば食べることができるのではないか、喜んでもらえるのではないか、といったお声を病院施設の方々から頂戴し、ケアフードの開発に踏み切りました。

そして2001年に日本介護食品協議会に加盟させていただき、入院患者やご高齢者を対象にした安全で、おいしい商品の開発に力を入れるようになりました。エネルギーを十分に摂取することができ、ビタミンやタンパク質もしっかり補給できるものが欲しい、というご利用者からのご要望にお応えしながら、フルーツの入ったものやプリンのようなもの、ビタミンを添加したものなど、順次製品化して発売しております。

開発の際に苦労したのはどんなことですか?

やはり、いかにおいしい商品をつくるかということです。ご高齢者は食べることに関しての大ベテランですから、味覚や嗜好に合わないものをご提供してしまうとどうしても残食が増えてしまいます。食べるという行為はそれ自体が筋肉や内臓の運動になり、また脳の覚醒といったあらゆる身体機能を呼び起こすとても重要な営みです。食べる能力がありながらもおいしくないので残してしまう、そういったことを防ぐために、いかに皆様のお口に合う商品をご提供するかということが、一番の課題でした。

しかし個人の味覚や嗜好といったものは当然、千差万別です。幼児であれば生後何ヶ月でどういったものを食べることができ、何歳になれば歯も生え揃うためある程度の食べ物の固さも噛み砕くことができる、といったようにいくらか想定ができるのですが、療養者やご高齢者はそのような単純な推測ができません。かといってそれぞれの個人に合わせた商品にカスタマイズすることも現実的ではありませんので、ひとりでも多くの方においしく召し上がっていただくためにマスマーケティング的な視点と、個人的なご要望をバランスよく折衷しながら試行錯誤を繰り返しました。

人気商品を教えてください。

とろとろ煮込みシリーズの「親子煮」が人気商品となっております。なめらかなペーストタイプでありながら卵の風味と、咀嚼するうちに鶏肉の旨味が出てくるのが特徴です。開発の際には、一般食を咀嚼して味わっている時と同じような感じ方をしてもらうため、段階的に食感や味が滲み出てくるような設計を行っています。お粥の上にのせて、丼物のようにして召し上がる方が多いと伺っていますが、介護者やご家族の方が「わたしが食べてもおいしかった」と嬉しいお言葉をくださることもあり、皆様に様々な場面でご活用いただいています。

そのほかに「あずきミルクプリン」や「黒蜜きなこプリン」、「黒蜜黒ごまプリン」や「抹茶ミルクプリン」といった和風デザートシリーズも好評です。デザートではありながらもエネルギーやタンパク質をしっかり補給することができて、舌でつぶせる固さなのでどなたにも安心して楽しんでいただけると思っています。

またこれら弊社の商品は常温で保管ができますし、賞味期限も1年以上と保存期間を長く設けておりますので、備蓄食として時間がない時や災害時などにもお役立ていただけたらと思います。
ハウス食品は今後も「おいしさ」にこだわりながら、皆様の食生活のサポートをしていきたいと考えております。

 

■取材を受けてくれた方

ハウス食品株式会社
ユーザーソリューション開発部 ビジネスユニットマネージャー 的場 美紀子 (まとば みきこ) 氏

■編集後記

日々の生活に欠かせない食事、この幾重にも繰り返される営みを楽しんでもらうためには…人それぞれ味覚や味の好みが違うだけに、より多くの方に受け入れられる商品作りには私たちの想像を超えた様々な苦労があったことかと思います。それでも「おいしさ」へのこだわりを持ち続け、試行錯誤の末にヒット商品を生み出したハウス食品さんには頭が下がります。これだけ認知度が高く多くの方に愛されている背景には、ひとかたならぬ企業努力があったのですね。

執筆者:リブライフ編集部

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