認知症の在宅介護はいつまで続けられる?
更新日:2023/08/03
「住み慣れた自宅で暮らし続けてほしい」そんな思いで家族の認知症介護を在宅で続けてきたけれど、そろそろ限界。このまま在宅介護を続けるべきか、施設入居を検討するべきか、その悩みや不安にお答えします。
この記事はこんな方にオススメです。
・在宅介護に限界を感じている方
・介護施設への入居について知りたい方
・介護サービスを利用しながら在宅介護を続けたい方
目次
在宅介護に限界を感じている理由
家族として愛情と責任を持ちながら在宅でケアを続けていますが、次第に重くなる肉体的、精神的な負担により、在宅介護に限界を感じている方も多いと思います。
食事の用意、入浴のサポート、排せつの介助、服薬管理など、日々の介護には眠る暇がないほどの忙しさがあります。また、認知症の進行により、暴言を吐いたり、異食や徘徊をしたりなど不適切な行動が増え、それに対処することが難しくなっていきます。認知症の家族を在宅で介護することは、充実感や喜びがある一方で、自分の時間や仕事、趣味を犠牲にし、常に介護を優先しなければならないというプレッシャーが、心の重荷となっていくのです。
家族としての愛情は変わらず持ち続けていますが、在宅介護の限界を感じる日々が増えてきた時、一人で悩むのではなく専門的な施設に頼ることも考えてみてください。担当のケアマネジャー、地域包括支援センターに相談し、患者さんがより快適な環境で暮らすことができるよう話し合っていきましょう。
認知症の家族を在宅介護から施設入居に切り替えるタイミングとは?
在宅介護から施設入居への切り替えを検討するタイミングは、家族や患者さんの状況によって異なりますが、いくつかのポイントを挙げます。
- 家族が介護のために自分の健康を犠牲にしている場合
- 認知症の進行によってケアの難易度が上がり、家族だけでは対応が難しくなった場合
- 認知症の進行によって日常生活において危険な行動を取ることがある場合
- 患者さん自身が望む介護サービスを理解し、それに合わせた選択をすること
家族が在宅介護に限界を感じている場合、専門家と相談しながら施設入居について検討することも必要です。また、施設入居に対して患者さんや家族が抵抗感を示している場合は、希望を尊重し介護サービスを利用しながら在宅介護を続けていく方法について、話し合い判断していくことが大切です。
認知症の方にとって家族や自宅を離れて生活すること
認知症の方にとって自宅を離れて生活することには、良い点もあれば悪い点もあります。
メリット |
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デメリット |
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自宅での生活を続けるか、施設での生活に移行するかどうかは、メリット・デメリットを十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。
在宅介護を続けるという選択肢
介護の負担を軽減しながら、認知症の家族と自宅で生活を続けていきたいという思いが強い場合、デイサービスや訪問介護、ショートステイを利用する方法があります。
【デイサービスとは?】
デイサービスは、認知症の方が日中の一定時間を施設で過ごすことができるサービスです。患者さんは家族と別れることなく、朝から夕方まで施設で過ごし、専門スタッフによるケアやリハビリテーション、社会的な交流の機会を提供されます。通所時間は家族のニーズに合わせて柔軟に選択することができます。
【訪問介護とは?】
訪問介護は、専門の介護スタッフが患者さんの自宅を訪問し、日常生活の支援やケアを行うサービスです。食事の支度、入浴のサポート、排せつの介助、服薬管理など、様々な日常的なケアを提供します。訪問頻度や時間は、患者さんの状態や家族のニーズに応じて調整されます。
【ショートステイとは?】
ショートステイは、一時的に施設に滞在し、専門スタッフによるケアやサポートを受けるサービスです。通常、数日から数週間程度の期間で利用しますが、利用時間や頻度は家族のニーズに合わせて調整することができます。施設では、食事、入浴、リハビリテーション、レクリエーションなど、利用者に合わせたケアが提供されます。
これらの介護サービスを利用しながら在宅介護を続ける選択肢は、家族が認知症の方に寄り添いながらも、専門的なサポートを取り入れることができる有益な方法です。認知症の方が自宅での生活を維持しながら、専門スタッフの支援を受けることができるため、家族の負担を軽減すると同時に、患者さんに適切なケアを提供することができます。
認知症の在宅介護をいつまで続けられるかは、本人や家族の意向、状況によって異なるため、まずは担当のケアマネジャー、地域包括支援センターに相談し、認知症の方やご家族にとって最善の選択肢を見つけていきましょう。