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正しい介護事業者を選ぶポイント

更新日:2022/10/18

正しい介護サービス利用方法と、介護事業者・ケアマネの選び方を、介護の専門家が教えます。

利用にあたっての相談先

介護サービスを利用するための最初の相談先は、主に2 か所ありますので、選んで訪問することになります。

まず1つ目は市区町村の役所にある介護保険課です(地域によって名称が少しずつ異なり、介護福祉課や高齢者支援課となっている市区町村もあります)。総合受付などで「介護の相談がしたい」と伝えると案内してもらえます。介護についての相談から、そのまま利用の手続きまで行うことができます。また、ご自身で行くことが難しい場合、家族だけで相談に行ってもらうことも可能です。

2つ目は地域包括支援センターです。同じ市区町村内に複数ありますので、役所よりも自宅に近い場所にあることが多いです。行くことが難しい場合は、電話をして職員に自宅に来てもらうこともできます。お近くの地域包括支援センターの場所は役所でも紹介してもらえます。

この2 か所が主な相談先となりますが、他にも行きつけの病院の医療相談室なども相談に乗ってくれます。介護利用の手続きはご自身のみで行うのは複雑で大変です。事前に相談窓口で相談をしておくと、手続きを代わりに進めてもらうことができます。

介護サービス利用の流れ

介護に関するサービスは、車椅子のレンタル、ヘルパーに来てもらう、施設に宿泊しに行く、など様々なものがありますが、どのサービスを使うかを決める前に、役所から「使っていいですよ」という介護保険証をもらう必要があるため、まず役所や地域包括支援センターに利用のための申請をすることになります。

申請をすると、後日、調査員がご自宅に来訪し、体の動きや、普段の生活の様子などを確認してくれます。これを、「認定調査」と言います。その後、病院の主治医の意見も合わせた話し合いが行われ、どの程度介護が必要かが決定されることになります。これを、「要介護度」と言います。申請をしてから結果が出るまでは2 か月ほどかかります。2 か月待てず、「今日からサービスを使いたい」という状況の場合は、最初の相談のときに話をすれば、役所の人が「先に利用を開始する」などの方法を考えてくれることもあります。

要介護度の結果が出たら、まずは、介護サービスの相談や調整を行ってくれるケアマネジャーを探します。ケアマネジャーに希望を伝えると、希望に沿う介護サービスや介護事業所をある程度絞ってくれるので、その中から選択するのが一般的となっています。

認定調査のポイント

調査に対していつも以上に張り切ってしまい、普段できていないことでも「1人でできる」と伝えてしまう場合もありますので、普段の様子を良く知る家族などにも立ち会ってもらうのが望ましいでしょう。状況が変わって手厚い介護が必要になった時には、再び調査を受けることも可能ですので、その時の「ありのまま」を伝えてみて下さい。

ケアマネジャーと介護サービス事業者の選び方

役所や地域包括支援センターの職員が、自宅に近いところに事業所があるケアマネジャーを紹介してくれます。顔合わせの際に、「説明を丁寧にしてくれるか」「希望を聞いてくれるか」を確認したうえでケアマネジャーを決めるといいでしょう。

ケアマネジャーを決めた後に、利用したい介護サービスと事業者を選ぶことになります。例えばヘルパーに来てもらいたい場合には、「家事を手伝ってほしい」「入浴や着替えなどの手助けをしてほしい」などのサービスの細かい希望をケアマネジャーに伝えたうえで、事業者を選んでもらうようにすると良いでしょう。事業者ごとに、「比較的高齢のベテラン女性ヘルパーが多い」「年齢が比較的若く、力仕事を任せられる男性ヘルパーがいる」などの特徴がある場合もあり、ケアマネジャーに、選んだ事業所の特徴も聞いてみると良いでしょう。

また、日中に施設に通いたい場合には、「入浴」「リハビリ」「他の高齢者との交流」など目的が多岐にわたるため、目的に沿った施設を探してもらうようにしましょう。リハビリに強い施設でも入浴もできる場合もあります。それぞれの施設にはそれぞれの強みがありますので、細かい希望を伝えるようにしましょう。

費用負担

介護保険を利用する場合、ヘルパーなどのサービスを受けた対価としてお金を支払う必要があります。医療保険と似た形の「自己負担制」となっており、所得などに応じて1 割・2 割・3 割の中から割合が決定されます。また、サービスはいくらでも利用できるわけではなく、要介護度に応じて上限が決まっています。(ただし、10 割の自己負担でよければ、その上限を超えて使うこともできます。)介護がより必要とされる、要介護度が高い方はその分多くのサービスを受けることが可能な仕組みになっています。

介護に関連する費用は、サービス料金以外にも様々なものがあります。例えば、紙パンツや杖などの購入代金です。市区町村で購入金額を補助してくれる場合や、「福祉用具」の枠で低額で購入できる場合もありますので、購入前にケアマネジャーに聞いてみるようにしましょう。

また、病院の診察代や処方される薬代などの医療費も支払うことになります。施設に入所した場合には、入居の費用もかかります。介護サービスへの直接的な出費だけでなく、かかる費用全てを踏まえたうえでサービスを利用することを意識してみると良いでしょう。

■取材を受けてくれた方

株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ
取締役副社長 松田 吉時
東京大学経済学部を卒業。ケアリッツ・アンド・パートナーズへの経営参画後、訪問介護事業所の新規事業所立ち上げ、通所介護事業の統括、居宅介護支援事業所の統括等を経験。
現在は、会社全体の研修、社内試験や内部監査等のバックオフィス全般を担当。

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