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家族介護に備えて~働きながら介護職員初任者研修の取得を考える~

更新日:2023/08/03

あなたが介護について知っていることは何ですか?「突然家族の介護が必要になった」「将来家族に介護が必要になった時のために知識を身に付けたい」そんな状況の方は多くいらっしゃると思います。
家族の介護は誰もが直面する可能性がある課題です。本記事では、同様の状況により介護職員初任者研修を受講した筆者が、働きながら資格を取得する流れや感じたことについて説明します。

介護職員初任者研修とは?

介護職員初任者研修とは、介護の基本的な知識やスキルを身につけるための研修プログラムです。実務経験などの受講資格はないため、申し込みをすれば誰でも受けることができます。介護職を希望される方はもちろん、家族の介護のため、将来の備えや学習の一環として受講する方など様々な方がおり、費用も4万円~10万円程と比較的受講しやすい講座です。

介護職員初任者研修の主な内容は以下のようなものです。

介護の基本知識 介護の理念や倫理、法令などについて学ぶことで、介護の基本的な考え方を身につけます。
介護の実務技術 入浴介助、食事介助、排泄介助など、利用者の日常生活支援に必要な基本的な実務技術を習得します。
コミュニケーションスキル 利用者やその家族とのコミュニケーションに必要なスキルを学びます。
認知症への理解 認知症の症状やケアについて理解することで、適切なサポートができるようになります。
安全・衛生管理 利用者や自身の安全を確保するための衛生管理に関する知識を身につけます。
介護の在り方 利用者の尊厳を尊重し、個別のニーズに適切に対応する介護の在り方について学びます。

このような内容を研修期間中に学習し、筆記試験をクリアすることで、介護職員初任者研修修了証を取得することができます。修了証を持つことで、介護の職場で働くことができるだけでなく、介護職のスキル向上やキャリアアップにも繋がるため、多くの人にとって重要なステップとなっています。

働きながら取得できる?

介護職員初任者研修は働きながら取得することができます。働いている人や家庭を持つ人に向けて、多くのスクールが柔軟な学習コースを提供しています。

筆者は通信講座として、自宅学習とスクーリング(通学)を組み合わせて受講しました。自宅学習では、テキストを読みながらレポートをまとめ、スクーリングでは、実際にスクールにて他の受講者と共に講義を受け、実技では食事・入浴・移乗・排泄などの技術を学びました。

スクーリングは、週1日(土日・平日共にあり)で4ヶ月弱通うコースや、週3日で1ヶ月半ほど通う最短コースなど、各々の都合に合わせて柔軟に選択できます。働きながら無理なく取得できるといえるでしょう。

受講者や難易度について

介護職員初任者研修の受講者は、幅広い年齢の方がおり、介護職だけでなく様々な職種の方がいらっしゃいます。介護の基本的な知識やスキルを身に付けることが目的のため、全く介護の知識がなくても気軽に受講できる内容です。

私が受講したクラスでは、20代~60代の受講者がおり、男性が2割、女性が8割ほどでした。介護施設で働いている方、飲食業、接客業、美容師、会社経営者、家族介護をされている方など本当に幅広い方がいらっしゃいました。スクールの方のお話では、タクシー運転手や引っ越し業者の方なども会社が資格取得を推奨しているようで、よく受講されるそうです。

大人になってから同じ目標を持つ方々と出会う機会は貴重で、年の離れた仲間ができましたし、毎週楽しみに通っていました。介護従事者だけではないので、安心して受講できます。

実際に受講してみて感じたこと

筆者が実際に介護職員初任者研修を修了して感じたことは、「全てをやってあげることが介護ではない」ということです。

受講前の私は、介護は全てのサポートしなければいけないから大変なのだと思っていました。しかし実際は、相手の介護度に合わせて、できることは自身で行えるように自立を支援したケアをすること、相手を尊重し尊厳を保つ介護を行うことが大切なのだと学びました。

よって、「介護=大変」というイメージはなくなり、介護はとても奥が深いものだと感じましたし、実際に介護職として働いたとしても、親族の介護が必要になったとしても、相手と向き合い接していけるのではないかと自信を持つことができました。

家族の介護が必要になった方、将来に備えて介護の知識を身に付けたいと思っている方にこそ、介護職員初任者研修を受講していただきたいと思っています。家事や仕事が忙しい方でも、無理なく都合に合わせたコースを選択し、資格を取得できますし、家族介護が必要な場面で必ず役に立つと思います。

 

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