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在宅で受けられる 医療・介護サービス一覧

更新日:2022/10/17

在宅での療養生活を支える制度・サービスにはさまざまなものがあります。自宅に居ながら訪問診療やリハビリテーションなどが受けられ、希望すれば最期まで自宅で暮らすことができます。生活を支える介護サービスも用意されています。さらに、市区町村の独自サービスや社会福祉協議会、民間会社などが在宅での療養生活を支えます。

介護サービス概要

介護保険のサービス

介護保険サービスを受けるには、要介護認定を受ける必要があります。地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当課で申請しましょう。

要介護度によって、受けられるサービスの種類・量が異なります。すべての介護保険サービスは、ケアプラン(サービスの利用計画書)に基づいて提供されます。ケアマネジャーとよく相談して、本人に合ったケアプランを作成しましょう。なお費用の自己負担額は、要介護度、所得等によって変わります。(1 割・2 割・3 割負担、負担限度額の設定あり)

受けられる人

65歳以上の人か、40歳以上で脳卒中や末期がん等の病気の人で、要介護認定を受けた人

要介護度別の状態の目安

自立(介護度無し) 日常生活に支援を必要としない状態
要支援1 日常生活はほぼ自力で行うことが可能だが、起居動作等に不安定さが見られる
要支援2 要介護1(日常生活には支援が必要であるが、支援によって要介護状態にはならず改善する可能性がある状態)に比べ、認知機能の低下がみられず、状態が安定している場合が多い
要介護1 立ち上がりや歩行が不安定で、入浴や着替え、家事などに部分的な介護が必要
要介護2 立ち上がりや歩行が自力では困難な場合が多く、薬の服用、入浴などに部分的な介護が必要
要介護3 寝返りや排せつ、歯磨き等が自力では困難で、着替えにも介助が必要な状態
要介護4 座っていることや両足でも立つことが難しいなど、洗顔や、移動、移乗などに生活全般にわたり介助が必要な状態
要介護5 寝返りを打つこともできないなど、生活全般に介護が必要

※要介護度が重いほど(要介護5が最重度)使えるサービス(限度額)が多くなります。

介護保険サービスの流れ

費用

サービス利用料の1〜3割(所得によって異なる)
一か月の負担額に限度額が設定されている 月15,000円〜140,100円

自己負担額は所得によって異なり、1〜3割 負担の上限額有り
介護保険サービスは介護保険証があっても、要介護認定を受けないと使えない

使えるサービスの種類と量

・要介護度によって異なる。要介護度が重いほど多くのサービスを受けられる
・要介護度が軽いと受けられないサービスがある

自宅で受けられる主なサービス

・ホームヘルパーに、調理や掃除、食事の介助などの日常生活の手助けを受ける
・自宅に浴槽を持ち込んでもらい、入浴させてもらう
・24時間対応で介護や看護を受ける
・夜間に介護を受ける
・施設に通って、食事や入浴、リハビリなどのサービスを受ける(送迎あり)
・一時的に特養などの施設に泊まる
・施設に通う、自宅にヘルパーが来る、施設に泊まるなどを組み合わせたサービス

介護保険外サービス(全額自費)

介護保険のサービスは対象となる人やサービスの内容、回数等が決められていますので、希望するものが使えない場合があります。自由度の高いさまざまな介護サービスを民間で行っています。

「地域包括支援センター」を利用しましょう

介護のことや健康づくりなど、何か困ったことがあれば、まずは、「地域包括支援センター」に相談しましょう。介護保険の要介護認定の申請も受け付けています。

「地域包括支援センター」という名前だけでなく、「高齢者支援センター」「おとしより相談センター」「長寿支援センター」「すこやかセンター」など、いろいろな名前がついているので、近くのセンターがわからないときには市区町村にたずねてみましょう。

介護サービス種類

種類 内容 自己負担額の目安
(令和3年改定)
訪問介護
(身体介護)
食事や着替え、移動、入浴、排せつ等の介助や体位変換など (1割負担の場合)
1回あたり(20~30分未満)285円
(30分以上1時間未満)452円
(1時間以上は30分ごとに)96円
訪問介護
(生活援助)
調理や掃除、洗濯、ゴミ出し、日用品の買物、薬の受取など※できることは要介護者本人の日常生活の支援のみ。家族のための家事や大掃除、家具の移動、ペットの世話、花の水やり、預貯金の引き出し等はできない。また、医療行為もできない (1割負担の場合)
1回あたり(20~45分未満)209円
(45分以上)257円
訪問介護
(通院等乗降介助)
「介護タクシー」とも呼ばれている。通院や外出の時に、ホームヘルパーの資格を持つ運転手が乗降時や移動などを介助 介護保険の自己負担(1割負担の場合)は片
道110円程度。しかし、別途タクシー運賃等がかかるので、事前に料金等の目安を聞くことが必要
訪問入浴介護 自宅に簡易浴槽を持ち込んで、看護師と介護職員で入浴の介助を行います。簡易浴槽を持ち込むために、1.5 ~ 2 畳程度のスペースが必要です。自宅での入浴やデイサービスの入浴サービスも受けられないような時に利用します。 (自己負担の目安)
1割負担の場合  1回あたり1,437 円
訪問リハビリテーション 専門家が自宅を訪問し、リハビリを行う (1割負担の場合)
1回あたり 341円
デイサービス 施設で、レクリエーションや機能訓練を行い、食事や入浴サービスを提供する。送迎あり (1割負担の場合)
通常規模の施設で7~8時間未満の利用の場合
1日 714~1,520円
他に食費・衛生材料費等がかかる
ショートステイ 自宅で介護を受けている人が一時的に特別養護老人ホームや老人保健施設に滞在し、介護や機能訓練を受ける 施設や部屋の種類、要介護度、所得等によって変わる
(1割負担で、併設・多床室に入った場合)
1日 773円~1,139円
他に食費・衛生材料費等がかかる
居宅療養管理指導 医師・歯科医師・薬剤師・看護師・歯科衛生士・管理栄養士などが訪問し、療養にあたっての指導や介護方法の相談などを行う (1割負担の場合)
医師の場合(月2回まで)1回あたり514円
保険利用の限度額には含まれない。職種に
よって、利用できる回数、料金が異なる
福祉用具の貸与 車いすや特殊寝台、歩行器などの貸出 利用限度額の範囲内で、実際にかかった費用の1~3割が自己負担。用具の種類。業者によって貸出料は異なる
福祉用具の購入 腰掛便座、入浴補助用具などの購入費の支給※申請が必要 年間10万円が上限で、その1~3割が自己負担
住宅改修 手すりの取付や段差の解消などの小規模な住宅改修費の支給
※事前と事後に申請が必要
20万円が上限額で、その1~3割が自己負担
訪問看護 看護師等が訪問し、健康チェックや床ずれの手当て、点滴の管理、リハビリなどを行う (1割負担の場合)
1回あたり(30分以上1時間未満の場合)
訪問看護ステーション:936円
病院・診療所:654円

上記以外にも、訪問介護・デイサービス・ショートステイを組み合わせたサービス(小規模多機能型居宅介護)や、24時間や夜間対応の訪問介護などがあります。
介護保険には在宅で受けられるサービスの他に、グループホームや有料老人ホーム、高齢者向け住宅などに入れるものや、特別養護老人ホーム、老人保健施設等に入れるサービスがあります。

 

医療サービス概要

自宅で訪問診療等を受けられる人

病院やクリニックに通院が困難な人

費用

医療費の1〜3割(年齢・所得によって異なる)
一か月の負担額に限度額が設定されている 月6,700円から30,000円が目安
※年齢・所得・治療内容によって細かく決められていますので、受診前に医師などによく聞きましょう※70歳以上の多くの方が上限18,000円です。
※医療費が高額になりそうなときには、あらかじめ加入している健康保険に申請すれば、「限度額適用認定証」が交付され、窓口での支払いが自己負担限度額までとすることができます。

主なサービス

訪問診療、訪問歯科診療、訪問薬剤管理、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問栄養食事指導、はり・きゅう、あん摩・マッサージ・指圧

医療保険外サービス(自由診療)

医療保険が適用される医療行為は対象となる病気やケガ、治療の内容等が決められています。それ以外に自由診療があります。(自費)

 

医療サービス種類

在宅医療

「きちんと医師に診てもらえるのだろうか」「急変したときにはどうしたらいいのだろうか」など、在宅での療養生活で一番心配なのが医療のことです。
でも、安心してください。医師が自宅に訪問して診療してくれます。

医師による自宅での診療(診療の内容)

  • 定期的に自宅を訪問し、診療を行う
  • 入院が必要な時、病院と連携を取る
  • 本人の状態に応じて、適切なサービスを受けられるよう、他の医療の専門家などに指示を出す
  • 急変の時などに自宅を訪問し診療を行う
  • 要介護認定を受けるとき、主治医意見書を書く
  • 本人や家族の療養上の注意事項を伝え、相本人や家族の療養上の注意事項を伝え、相談に応じる談に応じる
  • もしものときに、看取りを行う

費用

医療保険・介護保険が使えますが、診療の内容や回数、受ける人の年齢や所得、医療機関からの距離等によって限度額が大きく異なります。診療を受ける前に、必ず費用の目安を聞いておきましょう。

80 歳 要介護2(1 割負担)の人の場合の例月6,700 ~ 10,000 円ぐらい(2022 年3 月現在)

訪問歯科

歯科診療も自宅で受けることができます。むし歯や歯周病の治療、入れ歯の治療と、「口こう腔くうケア」と呼ばれるプロによる口の中の清掃や口で食べるためのリハビリを受けられます。

病気や高齢になると、口やのどの動きがとても悪くなりがちで、口の中が非常に汚れたり、誤嚥を起こしやすくなったりします。そうなると、口臭がひどくなる、口から食べられない、誤嚥性肺炎などの病気を起こすなどにつながります。口腔ケアを怠ると、窒息を招くこともあり、糖尿病にも悪影響をおよぼすと言われています。

こんな症状のある人は受けましょう

  • 歯や入れ歯にトラブルがある
  • 口臭が強い
  • 食事時間が長くなった口の中に食べ物がよく残っている
  • 歯磨きができない
  • 入れ歯の外し方がわからず、ずっと入れっぱなし
  • 誤嚥性肺炎でよく発熱する

費用

医療保険・介護保険が使えますが、医師の訪問同様、治療内容等で大きく異なります。事前に費用の目安を聞いておきましょう。

80 歳 要介護2(1 割負担)の人の場合の例治療内容: 入れ歯の修理をした場合1 回あたりの目安 約2,000 円(2022 年3 月現在)

訪問薬剤

薬のプロ、薬剤師も自宅を訪問します(訪問には医師の指示が必要)。

こんなときに利用しましょう。

  • 寝たきりや歩行困難等の方で薬局に行けない時
    →薬を配達して、説明をしてくれる
  • 薬を飲み忘れがち、うまく薬の管理ができない
    →飲み残しの数量や保管、服用状況を確認して、飲み忘れないような方法を提案してくれる
  • 複数の病院、クリニックにかかり、いっぱい薬をもらっている
    →同じ働きをする薬が重なっていないか、一緒に飲むとよくない薬が出ていないかを確認し、必要があれば医師に連絡してくれる
  • 錠剤やカプセルが飲み込めない、粉の薬が口の中に広がってしまう
    →薬の変更を医師に提案したり、飲みやすく加工してくれる

費用

医療保険・介護保険が使えます。自己負担分に加え、薬代が必要。詳しいことは事前に聞いておきましょう。

80 歳 要介護2(1 割負担)の人の場合の例(2022 年3 月現在)訪問1 回あたり300 ~ 700 円ぐらい(他に薬代が必要)

訪問看護

看護師が自宅を訪問し、安心して療養生活を送れるよう、処置や療養中の世話などを行います。理学療法士などの専門家が訪問する「訪問リハビリ」のサービスもあります。

訪問看護・リハビリで受けられるサービス

  • 症状悪化の防止・回復
  • 医師との連携による終末期の看護
  • 認知症の看護や家族へのアドバイス
  • 健康状態の観察
  • 床ずれの予防、排せつのケア、療養環境の整備
  • 医師との連携による痛みや症状のコントロール
  • 歩行訓練、嚥下訓練
  • 緊急時の対応
  • 日常生活の工夫、助言

費用

医療保険・介護保険が使えます。医師の訪問診療同様、受ける人の状
態によって大きく異なります。事前に費用の目安を聞いておきましょう。

80 歳 要介護2(1 割負担)の人の場合の例(2022 年3 月現在)
1 週間に1 回、1 時間の訪問看護を受けると 1 回あたり1,000 円ぐらい

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