グループホームとはどんなところ?
更新日:2023/08/08
グループホームにはどのような人が入居することができ、どのような介護サービスが提供されているのか。入居条件やメリットを、グループホームの利用を検討されている方や、介護サービスの利用が初めての方に向けて、簡単にわかりやすく説明します。
この記事はこんな方にオススメです。
・グループホームの利用を検討されている方
・介護サービスの選択に迷っている方
・ご家族が認知症と診断された方
目次
グループホームとは?
グループホームは「認知症対応型共同生活介護」とも呼ばれ、認知症と診断された利用者が共同生活を送る入居施設です。居室は全て個室で、共有スペースとして居間、食堂、キッチン、浴室などがあります。それらの生活空間をユニットと呼び、1ユニットの入居者数は5~9名で、1事業所に3ユニットまで開設できます。
グループホームの特徴は、ユニットごとに調理や配膳、洗濯、掃除などを利用者全員で行うことです。もちろん介護度によって作業が難しい利用者もいますので、介護職員の見守りのもと可能な範囲の作業を行っていただき、職員がサポートします。事業所によって重度な症状の方への対応は異なりますが、最近では看取り加算を取り入れているグループホームが増えてきています。
ご自身の居室に使い慣れた家具を持ち込む方もおり、自宅に近い環境で生活できますし、利用者は最大9名と少人数ですので、他の利用者との関係を築きながら、穏やかに過ごすことができる施設です。
どんな人が入居できるのか
グループホームに入居できる方の主な条件は、以下の方です。
- 65歳以上の方
- 医師から認知症の診断を受けた方
- 要支援2または要介護1~5の方
- 施設と同一の市区町村に住民票がある方
- 少人数の共同生活を営むことに支障がない方
その他の条件としては、特例として協議によって別の市町村に住んでいる人も対象になる場合や、65歳未満でも特定疾病を持っている場合は入居可能な場合などがあります。施設にご確認ください。
認知症の方が共同生活を送る施設ですので、要介護認定を受けていても認知症と診断されていない方や、認知症と診断されていても要支援1の方は原則入居できませんので、ご注意ください。
1日の流れ
グループホームでの1日の流れの一例をご紹介します。
【一例】
7:00 | 起床、整容 | 必要に応じて更衣や排せつの介助をしてもらう |
7:30 | 朝食、服薬、口腔ケア | 職員と共に朝食を用意する |
8:30 | バイタルチェック | 毎朝バイタルチェックを行う |
9:00 | 入浴 | 週に2日以上入浴する |
10:00 | 自由時間 | 居室で過ごされたり、レクリエーション、体操などを行ったりする |
12:00 | 昼食、服薬、口腔ケア | 職員と共に昼食を用意する |
13:00 | 自由時間 | 居室で過ごされたり、レクリエーション、体操などを行ったりする |
15:00 | おやつ | 日替わりのおやつを食べる |
15:30 | 自由時間 | 居室で過ごされたり、レクリエーション、体操などを行ったりする |
17:30 | 夕食、服薬、口腔ケア | 職員と共に夕食を用意する |
19:30 | 帰室、就寝 | 居室に戻り就寝する |
自由時間では、テレビ鑑賞や読書など利用者のこれまでの生活習慣をなるべく続けられるよう、好きなことをして過ごすことができます。自身の意思で行動できない利用者には、その方に合った活動やレクリエーションを提供します。また、職員と買い物や散歩に出かけたり、地域の保育園やボランティアなどと交流したりする施設もあります。
グループホームのメリット・デメリット
グループホームに入居する際のメリット・デメリットを挙げてみました。
【メリット】
- 住み慣れた地域での生活を続けることができる
- 少人数のアットホームな環境で生活できる
- 個室なのでプライバシーを確保できる
- できることは自分で行うため、ADL(日常生活動作)の低下を防ぐことができる
- 認知症ケア専門のスタッフが常駐している施設が多いため、認知症の症状に合わせて適切なケアをしてもらえる
【デメリット】
- 看護師の配置義務がないため、医療ケアには特化していない
- 少人数なので他の入居者との相性が合わない場合の調整が難しい
- 定員が少なく地域に密着した施設のため、空きがない施設も多く、入居まで時間がかかることがある
グループホームを選ぶ際には、これらのメリットとデメリットをよく考慮し、利用者本人や家族のニーズに合った選択をすることが大切です。
実際に入居するまでの流れ
グループホームへの入居を検討されている方が、実際に入居するまでの流れの一例を説明します。認知症の診断や要介護認定がまだの方は、まず医師の診断を受け、お住いの地域包括支援センターに相談し、要介護認定を受ける手続きをしましょう。
①お問い合わせ | お住いの地域のグループホームに、相談や見学の問い合わせをする |
②見学・面談 | グループホームの雰囲気やお部屋などを見学し、施設側と利用者本人・ご家族の面談を行う |
③お申し込み | 入居申し込み、必要書類を提出する |
④入居審査 | 面談結果と書類をもとに、施設側が利用者が施設で安全に生活できるか判断する |
⑤ご利用開始 | 入居する |
小規模のため定員に空きがあることが少なく、数ヵ月や数年の入居待ち期間が生まれる可能性もあります。本人や家族の意向、入居時期など、希望に合った施設を見つけ、早めに計画を立てて進めていきましょう。入居後もその人らしい生活が実現でき、認知症の進行に合わせて適切なケアをしてもらえるグループホームの利用を考えてみてはいかがでしょうか。