「まごチャンネル」で思い出を共有!
更新日:2022/09/29
株式会社チカクは、だれもが使い慣れているテレビを通じて、4世代の家族がいつでも簡単につながることのできるサービスを開発しています。今回は、その開発に至るまでの経緯や詳しいサービス内容について伺いました。
この記事はこんな方にオススメです。
・親に孫の顔を見せたい
・親の様子を気軽に確認したい
・スマホの操作が苦手な親がいる方
■本記事の取材先
株式会社チカク
株式会社チカクは“シニア・ファースト”を掲げるエイジテック企業です。
スマートフォンアプリで撮影した動画や写真を実家のテレビに直接送信し、インターネット環境やスマートフォンがないシニア世代でも自宅のテレビで視聴できる「まごチャンネル」を開発・販売。見守りやテレビ電話機能など機能拡張し、自治体や介護事業者などと高齢者の孤独・孤立解消に向けた取組みも展開しています。
目次
チカクにはどのようなサービスがありますか?
- 離れて暮らす親に孫の顔を見せたいのに、なかなか会いに行くことができない。
- スマートフォンやパソコンの取り扱いに慣れておらず、オンラインでの面会も難しい。
近年のコロナの影響もあり、そのような声を耳にすることが増えました。家族3-4世代の間には、そうした「距離」と「テクノロジー」の問題が大きな障壁となっているのではないかと思います。弊社では、だれでも簡単につながることのできるサービスとして、「まごチャンネル」を開発・販売しています。
「まごチャンネル」は、スマートフォンなどで撮影した動画や写真を実家のテレビに送信できるサービスです。やり方はとても簡単で、白い家の形をした受信ボックスをテレビにつなぐだけで設置が完了し、スマートフォンなどから送信された動画や写真を視聴することができます。インターネットやWi-Fiを設定する必要がなく、テレビのリモコン操作で視聴することができますので、ネット環境のないご実家やスマートフォンの扱いに不慣れなご高齢者でも簡単にご利用いただけるサービスです。また、送信された動画や写真をテレビで視聴すると、「見始めました通知」がスマートフォンに届く仕組みで、安否確認にもなるとご好評をいただいています。
利用者の反応はいかがですか?
「まごチャンネル」をご利用されている方々からは非常に高い評価をいただいておりまして、「まごチャンネルを生きがいにしている」という嬉しいお言葉や直筆の感謝のお手紙をお寄せいただいています。
メディアで紹介されたと聞きましたが、どのようなメディアで紹介されたのですか?
現在、国が「誰ひとり取り残さないデジタル化」を進めている中で、ご高齢者向けのテクノロジーという観点から「エイジ」と「テクノロジー」を掛け合わせた「エイジテック」が注目されており、これまでに日経新聞やNHK「おはよう日本」の特集で弊社のサービスを大きく紹介していただきました。
送られてきた写真や動画を見ること以外に、どのようなことができますか?
現在、受信ボックスに専用のカメラを接続して、自宅のインターネット環境が不要な「テレビ通話」を開発しています。いつでもお気軽に、双方の顔を見ながら会話をすることができるようになり、家族という大切な存在を近くに感じられるようなサービス開発を目指しています。
他社との提携事例はありますか?
自治体と協働して、行政情報を「まごチャンネル」に配信するという試験的な取組も実施しています。たとえば大阪府泉大津市では、フレイル対策として自宅でできる運動動画、災害時の在宅避難の啓発動画、特殊詐欺の対策動画などを配信したり、また兵庫県たつの市ではご高齢者の外出を促すために、地域の催事情報や行楽情報を配信しています。コロナ禍によってより深刻化しているご高齢者の孤独・孤立解消の試みとして、ローカルな情報を、迅速に伝えられる情報プラットフォームとしてご活用いただいています。
また「たのしい、みまもり。」をコンセプトに、大手警備会社セコムと協働で開発した「まごチャンネル with SECOM」では、これまでご説明した「まごチャンネル」の機能に加えて、付属の環境センサーが部屋の温湿度、生活音、照度を感知して、実家の就寝や起床、熱中症の危険度をお知らせするなどの見守り機能を強化したサービスも展開しています。
今後の目標や見通しなどがありましたら教えてください。
弊社は「距離も時間も超えて大切な人を近くする・知覚できる世界を創る」というミッションを掲げて活動しています。離れて暮らすご家族となかなか会うことができない方などに、弊社のサービスをご利用いただくことで、より近くに感じられるようになっていただけたらと考えています。そして今後も多くの方に感動していただけるような体験をご提供していきたいと思っています。
■取材を受けてくれた方
株式会社チカク
ブリックリレーションズ責任者/パブリックセクター責任者 石井唯宏 氏
2019年に株式会社チカクにパブリックリレーションズ責任者として参画。現在は、パブリックセクター責任者も兼務し、自治体、介護等の公共領域のビジネスをリードしている。
■編集後記
テレビを囲んで一家団欒。ひと昔前はよくみられた光景ですが、最近ではそんな日常のひとこまにも時代の変化が訪れています。そんな中開発されたテレビを媒体として家族を繋ぐチカクの「まごチャンネル」は、どこか郷愁を感じさせてくれると同時に、それがいかに勇気を要する試みだったかを想像させてくれます。進化することと、過去を振り返って優れた風習を残すことは、決して相容れないものではないのだということを改めて教えられました。
執筆者:リブライフ編集部